HOME   目次 


第一回目は国民的RPGドラゴンクエストのパクリ疑惑を弁護します。
題して…

ファミコン初の本格的RPG(ロールプレイングゲーム)「ドラゴンクエスト」。それまではパソコンユーザーにしか知られてなかったこのジャンルを一気に広め、後の作品に多大な影響を与えた伝説的な作品です。
しかし、当時一部のパソコンユーザーからコレは夢幻の心臓のパクリだ!と言う意見があり、いまだにそれが通説となっているようです。
そこでいきなり結論を言いますが、「ドラクエも夢幻の心臓も、同じ作品の影響を受けていたんだから類似する部分が多いだけ」と私は思っています。

シンプルでありながらウィンドウの開閉の使いやすさにこだわり、遊びやすさを追求した「ドラゴンクエスト」
一方今遊ぶのはかなりつらい「夢幻の心臓」。テキストがずらずら出てくるのがパソコンゲームっぽいですな

 その昔海外のパソコンで生まれた2大RPG「ウィザードリィ」と「ウルティマ」。今でもシリーズ化されており名前だけでも聞いたことある方も多いと思います。その作品のファンであった堀井氏がファミコンでもRPGをやりたいと言うことで作られたのが「ドラゴンクエスト」であると後の雑誌記事で読んだことがあります。
ドラクエも夢幻の心臓も、主観視点(敵と向き合う)でインパクトのある戦闘シーンは「ウィザードリィ」、見た目に分りやすい見下ろし形の2Dフィールド画面は「ウルティマ」と言うように双方の良い部分を活かしただけで、遊びやすく分りやすい作品を求めていくと必然的にそうなるのは簡単に想像できますよね。
そうなると今度は「ドラクエはウィザードリィとウルティマのパクリ?」と思うかもしれませんが、それって違いますよね… 堀井氏が影響を受けた部分はRPGの基本的な面白さであって、今ではなくてはならない要素としてどのゲームでも使われているものです。
昨今の芸術や文学だって何かしら作者が影響を受けているものの、「この詩はニーチェのパクリだ」とか「この曲はビートルズのパクリだ」なんて誰もいいませんよね、それと同じだと思います。当時のハードの性能や容量の都合上、類似する部分もありますが「似ている=パクリ」と言う安易な発想は非常に良くないですね〜。
ドラゴンクエストも夢幻の心臓もゲームとしての核になる部分、人体で言うところの「心臓」あたる部分には同じウィザードリィとウルティマの遺伝子が受け継がれているのではないでしょうか? ウィザードリィよりに進化していったドラゴンクエストはVで、ウルティマよりに進化していった夢幻の心臓はUでそれぞれシステムが完成され、以降の作品でオリジナルティを出していく事となります。悪く言えば「師匠から勝手にのれん分けして一人前になった弟子たち」ですが、昨今のなんのオリジナリティも感じさせない作品たちの方がよっぽど罪深いと思いますね。だから昨今のゲーム業界は色数やポリゴン数と言った逃げ道に迷い込んでしまったのだと思います…

 …さて次回はあの人気ゲームキャラクターの知られざる苦労時代のおはなしです。

HOME      NEXT→

inserted by FC2 system