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(マリオ伝説)
世界初の家庭用ゲーム機は1972年に発売された「オデッセイ」だそうです。さらにさかのぼるとオデッセイの原形となったブラウンボックス(1968年)や、それ以前に電圧か何かの計測器を改造して作られたゲーム機があったそうですがそこまではちょっとわかりません。
たかが30年されど30年… あまりの急成長ぶりに不安を感じてしまいますのう。


第二回目はテレビゲームを代表する人気キャラクター「マリオ」さんについてです。今でこそテニスやゴルフといったスポーツやカートを乗り回したり、気楽なミニゲームと悠々自適の人生を送っていますが、かつては工場勤務(流れ作業やセメント工場)、爆弾処理、ゴリラの密猟といったガテン系の仕事をやっていた苦労人だったりします… そんな彼の意外な誕生と、ちょっと不安な今後についてのおはなしです。

マリオ伝説その1 版権の都合で誕生!
マリオの初登場作品は1981年、売れ残った業務用基盤の処分目的で作られた「ドンキーコング」でした。実はこの作品、当初米国アニメ「ポパイ」のキャラクターを使う予定だったそうですが、後にポパイの版権が取れない事が判明しその代役として生まれたいきさつがあります。その頃は特に名前もなく、ただの「おっさん」と呼ばれていましたが、アメリカの任天堂で働いていた社員に似ていると言う事で「マリオ」と言う名前がついたというかなりいい加減な誕生秘話があります。
幸いな事にこの「ドンキーコング」は日米ともに大ヒットし、巨大なゴリラにつかまった女性を助けるという設定が、映画「キングコング」の真似だと言われた時も「これはもともとポパイのゲームにするつもりだった」と言って難を逃れたといいます。

マリオ伝説その2 ドンキーコング裁判
華々しいデビューを飾ったマリオさんですが、いきなり揉め事に巻き込まれます。いわゆる「ドンキーコング裁判」というもので、ソフトを開発した会社に任天堂が訴えられるという事件がおきました。
この件については簡単に調べた程度ですが、当時テレビゲームを開発する力のなかった任天堂が口約束でドンキーコングの開発を下請け会社に依頼したためにあとあと問題になったそうです。一説ではドンキーコング(マリオ)の生みの親は宮本茂氏ではないとまで言われていますが、間違いなくゲームの企画自体は宮本氏と横井軍平氏であると信じています。
ゲーム&ウオッチで企画していたポパイのゲームを業務用基盤に持ってきた「ドンキーコング」

マリオ伝説その3 餓狼伝説2´
その後は「とりあえず任天堂の看板キャラクター」としてさまざまな作品に登場し、1985年にみなさんご存知のスーパーマリオブラザースが発売となります。日本での大ヒットはもちろんのこと、ゲーム人気が衰退していたアメリカでもテレビゲームの人気を再燃させるきっかけとなったほどです。
そしてその後の活躍は言うまでもありませんよね。ソニックのゲームに勝手に登場したり、ドラゴンボールの孫悟空と戦ったり… え、違うって?
協力するか邪魔しあうか… どっちでも楽しい「マリオブラザース」。初期のファミコンはそういうソフトに恵まれていましたな もはや説明不要の「スーパーマリオブラザース」。最初の頃はキノコを取って巨大化するアイデアはなく、ちびマリオはいなかったそうです

マリオ伝説その4 骨肉の争い
キャラクターとしては不動の人気を得たマリオさんですが、本業のゲームで少々気がかりな現象がおきています。それは同じ宮本茂氏の代表作である「ゼルダの伝説」に似てきているというところです。
ゲームボーイ版の「ゼルダの伝説 夢を見る島」からその兆候はありましたが(横スクロール面やAボタンでジャンプするようになった)、ニンテンドウ64で同じポリゴンの箱庭を自由に移動できるようになってからは「ゼルダの伝説 時のオカリナ」があまりにも完成されすぎたためか、3D版スーパーマリオの個性が薄れてしまったと思ったりします。私はゲームキューブ版「スーパーマリオ サンシャイン」は未プレイですが、「ゼルダの伝説 風のタクト」はかなり意図的にアクション部分の難易度が下げられていたので製作者もかなり双方の個性を分けるのに苦労しているように感じてしまいました。

もはやかつての一大テレビゲームブームは来ないでしょうが、このマリオさんにはいつまでもゲーム初心者やかつてのファミコン少年たちを向かい入れてくれるよう第一線で頑張っていて欲しいと思います。やはり彼の本領を発揮するのはスポーツでもRPGでもなくアクションゲームなのだから…
参考資料 横井軍平ゲーム館(アスペクト)
マリオにゼルダ コンピュータゲームの歴史(ディスカバリーチャンネル)



次回はそのビジュアル、ゲーム性、世界観など20年たった今でも古さを感じさせないあの縦スクロールシューティングゲームのお話です。

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